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血を吐くお面
というのは、彼はあの、お家はありますよ、もちろんね。でもそれはあの、東京からかなり離れているんですよ。
で、そこに奥さんやお子さんがいらっしゃるんですが、ご自身はあの、事業の関係で、東京の街中にですね、マンションを持っていましてね、そこで、帰れない場合には、泊まってしまうわけですよ。

で、普段彼がいなくても掃除する人はいるし、きれいにはなっているんですが、そこへ自分の気に入ったその骨董品なりなんなりだけ並べてあるんですよね。

で、そこにそのお面をかけといたわけですよ。で、たまたまその仕事が遅くなっちゃったときに、しばらくぶりにそのマンションへ行って、まあ、いつものようにごろんとベッドに横になっちゃった。

で、疲れていますから、すっかりいい気持ちになって眠りについたわけなんですが、夜中になったらやけに苦しいんだそうですよね。

で、

うわ、うう、ううん、ううん、ううん、ううん、ううっ

て、自分の、自分のうめき声でもって目が開いたっていうんですよ。びっしょり汗かいていて、まるでベッドの中にもですね、その汗が染み込んでいるぐらいだったっていうんですよ。

「うう、具合悪いな」と思って、ふっと目を開いたら、辺りが真っ赤に見えたので、

「ん、俺、目がどうかしてんのかな。おかしいな」と思って、周りを見た。目をこすってみたんだけど、別に異常はないし痛かないんですが、部屋中がやけにこの、赤いって言うんですよね。

まるで赤いライトで照らしたようなので、

「あ、そうか。俺、窓を閉めてないから、すぐそこに新しいきっと広告塔かなんかができて、その広告塔の明かりがこう部屋の中に差し込むんだろう」

と思って、ゆっくりと起き上がったっていうんですよ。
で、すたすたすたすた行って、窓のところ行ったんだけども、全然そんな広告塔なんかありゃしない。それで窓にこの映っている部屋の景色を眺めると、確かに部屋の中が赤いんですよね。

おかしいな。なんでこんな赤いんだろう。変なことがあるもんだな」と思って、

ぼうっとしていましたら、

遠くのほうでもって、ふうーって消防自動車が走っていく音が聞こえたんですね。

「あ、どっかで火事なんだな」と思って、まあいいかと思いながら、疲れてますからまた布団へ戻って寝ちゃったっていうんですよ。




明け方になりましたら電話が鳴ったので、
「はい」って取ったら、
「社長、大変なんです。昨日夜中にうちの店の1つなんですが、火事出しましてね。あ、あの、どうにかボヤでもって済んだんですけれども」っていう話をしたんですね。

「あ、そうか。おまえ気を付けてくれよな。おい、ちょっと待てよ。俺、夜中に実はな、サイレンの音を聞いて、目が覚めてるんだけどさ、あれ、じゃあうちの店が燃えた、そのサイレンかい?」って聞いた。

すると、その従業員の人がね、
「いや、いくらね、夜の夜中でもって静かだって言っても、社長、社長のマンションからね、店まで距離がありますからね、音は聞こえないでしょう、そんな」って言われたんですね。
「あ、そう」

またそれから何カ月かして、仕事でどうしても帰れないものですから、もう疲れきったまんまでもってその自分のマンションへ帰ったわけですよね。

で、いつものように、またゴロンって横になっちゃった。と、またこれが苦しいんですよね。

うう、うう、うう、うう、う、ううっ

て目が開いた。

はっと思ったら、もうべっしょり汗をかいて目の中にまで汗が染みこむぐらいで、
「うわ、何なんだこの苦しさ、いや、たまらない」と思って、こうやって目を開けた。前にも増して真っ赤なんだそうです、部屋の中が。

「あ、そうだ。そういえば、この前泊まったときもこの部屋中が真っ赤だったな。何なんだろうな」と思って周りを見たら、

何がなんだか分からない、真っ赤で。

それでもう1回窓のところへ行ってみた。すると、部屋の景色がちょうど窓にこう映って、外は暗いですからね、その部屋中の真っ赤な様子が映って、

「なんでこんなに赤いんだろうな。不思議だな」と思った。それで眺めていて、
「まあ何もねえからいいか」って寝ちゃった。そうしたら、突然電話が鳴ったんで、
「うおっ」って思って電話を取ってみたら
「社長、大変です」って。
「うちの従業員の女の子が1人、実はあまり出てこないんで、同僚の女の子が訪ねてみたら、マンションで首くくって死んでいました」って。
「自殺か?」って言うと、
「ええ、そうです」
「おまえ、冗談じゃないぞ」って電話切って。

というのは、その子はですね、何回かその社長さんに、その彼にですね、人生相談に来たそうなんですよ。

それで「まあ、心配ないから」って帰したんだそうなんですが、亡くなってしまったっていうんですね。で、普通だったらこの辺りでもって「嫌だな」と思うのは普通ですけど、その方大変自分に自信がある人なんですね。待てよと。

1回目の火事のときに俺は目が開いたと。部屋中が赤かった。
2回目のときにも部屋中が赤くて目が開いたら、自分のところの従業員が首くくって死んでいたと。もしかすると、俺にはそういう予知能力があるんじゃないかって、そういうふうに考えちゃったんだ、この人は。自分に自信があるから。自分に力があると思っちゃったんですね。

「よし、じゃあ今度なんかそういうことがあったら、確かめてみようか」と、そう自分で思ったっていうんですよ。それからまた少しして仕事でもって遅くなったもんですから、泊まったわけですよね。自分のそのマンションに。夜中になったらまた苦しいって言うんですよ。

「うう、ああ、うう、あ、ああっ」て、また自分の声で目が開いた。はっと。前にもますます増して真っ赤だって言うんですよ。

いや、だんだんなんか気のせいかしらんけど、色濃くなってきたな、随分真っ赤だなって、気持ち悪いな。まるでそれは血の色だったって言うんですよね。色が。
いや、外から差し込む明かりに赤い色はないし、赤い電気は付けてないし。何にもないのに、なぜか部屋中が赤いんですよね。
で、何のこともないんだけど、一応窓辺へ行ってみて、外をぽうっと眺めていたっていうんですよ。

「一体この部屋どうなっているんだろう」と思って。

で、こうやってぽうっと見ていると、映っているその部屋の中の景色、一部がやたらとすごく赤いっていうんですよ。

「んっ」と思って壁を見てみる。あの辺かな。あの辺かな。あの辺みたいだな、と思って。
「そうだ、その場所突き止めてやろう」とじいっと見たら、自分の斜め後ろ辺りのところにやたらとこの真っ赤に濃い部分があるので、あそこだなと思って、ふいっと向いた瞬間に、はあ。自分が壁にかけておいた、あの例の面ですよ。その口から目から血がぼうっと吹いているっていうんです。

「うわ、びっくりした。なんだこれ」と。ところが見たら、床には全然血はこぼれてない。
なのに、

ぶう、ぶう、ぶうっ

て吹いている。こんなことあるわけないんだって、這いずっていきながら電話かけた。自分のマネージャーに。

「おい、頼む。ちょっと今おかしいから、ちょっと俺のところすぐ来てくれないか」って。
「頼むよ。なあすぐ来いよ。すぐ来いよ」って。
「社長、何があったんですか?」
「いいから聞くな、すぐ来い」って電話を切ったって。それで手帳調べてって、自分が普段からお世話になっている霊能者のところに電話したと。

「もしもし、先生」そうしたら、先生普通に出たっていうんですよね。
「どうした?」
「いや、先生、実は」って言うと、
「何があった?」
「いや、あの、実はあの、面がですね」っていう話をしたわけですよね。
「それはいかんな、すぐに来いよ。いいか、なんかに包んで、すぐ持ってこいよ。それは君な、そのままにしておくと、君の命が危ないかもしれんぞ」
「それは普通じゃないからな、持ってこいよ、待っとるぞ」
それでマネージャーが来たので、
「おい、あの面を取ってくれ」って。そのときは部屋は全然赤くなかったっていうんですよね。もう白くなっていて、壁も。
「社長、これですか?」
「そうだよ」と。

それで、おそるおそるその人がこう取ったときに、社長これなんか冷たいですよねって言いながら、新聞紙にくるんだっていうんですよね。くるんだら、
「社長、こんなにこれ重かったですか?」って。
「ん、どうか」って、持ったら重いっていう。
「重いな」
「重いですよね。社長、これすっごい冷たいですよ」って。
「冷たいな」って。
「ええ、冷たいですよね。じゃあ行きますか」って。

それで車乗って、それを助手席にそのお面を置いて、で、そのマネージャーが運転して、ぱーっと夜中向かってったっていうんですよね。その心霊の方のところへ。それで、やがてその心霊の方のところへ行ったらば、門が開いていて待っているっていうんです、その人が。
で、「どうも」って言ったら、
「ああ、はやく入れ」って言うんですよ。

それで、「すいません、早速なんですけど、これなんです、その面っていうのは」って言ったら、「ああ、貸してごらん」

持った瞬間に、「うん?」
歩いてって、部屋入って「まあ、あがんなさいよ」って言って、その祭壇の前に座りながら、
「これこんなに重いもんか?」って聞いたそうですね。
「いや、おかしいですよね、面だから軽いはずなんだけど、重いんですよね」
「重いなこれ、いや、これはすごく冷たいな」って。
「ええ」
「なんだ?」って。
「いやいや、分かんないですけど、すごい冷たいんですよね」
「冷たいな」

で、なんか呪文のようなの唱えながら、

うらうららいらいらいらい

言いながら、ふわっとこう新聞紙からその面を取り始めたっていうんですよね。
そうしたらこう体が震え始めたっていうんですよ。その霊能者が。

それで「どうしたんだろう、この人、体震えているな」と思ったら、
それが、がたがたがたがたがたがた震えているんだそうです。
肩がね、霊能者の肩が

ガタガタ

って。

「なんでこんな震えているんだ」と、そのうちに全部見たのか知らないけれども、
「ウウッ、ウウッ!ウウーッ!」ていうんだ、その人。
「何があったんですか?」って言うと、
「違う。これは面じゃないぞ。これは生首だぞ」って言うんですよね。
「淳ちゃん、あれをずっと持っていたら、俺、殺されるところだったよ」
↓広島弁でいうと…
血を吐くお面
っちゅうなぁ、あんなぁはあの、お家はあるんよ、もちろんのぉ。でもそりゃぁあの、東京からかなり離れとるんよ。
で、そこに奥さんやお子さんがいらっしゃるんじゃが、ご自身はあの、事業の関係で、東京の街中にじゃの、マンションを持っとりましてね、ほいで、いねん場合にゃぁ、泊まってしまうわけよ。

で、普段あんなぁがいのぉても掃除する人はいるし、きれいにゃぁなっとるんじゃが、そこへ自分の気に入ったその骨董品なりなんなりだけ並べてあるんよの。

で、そこにそのお面をかけといたわけよ。で、たまたまその仕事が遅ぉなっちゃったときに、しばらくぶりにそのマンションへ行って、まあ、いっつもんようにごろんとベッドに横になっちゃったんじゃ。

で、疲れとるんじゃけぇ、すっかりええ気持ちになって眠りについたわけなんじゃが、夜中になりゃぁやけに苦しいんじゃそうよの。

で、

うわ、うう、ううん、ううん、ううん、ううん、ううっ

て、自分の、自分のうめき声でもって目が開いたってゆうんよ。びっしょり汗かいとって、まるでベッドの中にもじゃの、その汗が染み込んどるぐらいじゃったってゆうんよ。

「うう、具合悪いな」ゆぅて思うて、ふっと目を開いたら、辺りが真っ赤に見えたけぇ、

「ん、わし、目がどうかしてんのんかのぉ。おかしいな」ゆぅて思うて、周りを見た。目をこすってみたんじゃが、別に異常はないし痛かんのんじゃが、部屋中がやけにこの、赤いってゆうんよの。

まるで赤いライトで照らしたようなけぇ、

「あ、ほうか。わし、窓を閉めとらんから、すぐそこに新しいきっと広告塔かなんかができて、その広告塔の明かりがこう部屋の中に差し込むんじゃろう」

ゆぅて思うて、ぼちぼちと起き上がったってゆうんよ。
で、すたすたすたすた行って、窓のところ行ったんじゃがも、全然そがぁな広告塔なんかありゃしなぃんじゃ。それで窓にこの映っとる部屋の景色を眺めると、確かに部屋の中が赤いんよの。

おかしいの。なんでこがぁな赤いんじゃろう。いなげなことがあるもんじゃな」ゆぅて思うて、

ぼうっとしとったら、

遠くんほうでもって、ふうーって消防自動車が駆けっていく音が聞こえたんじゃの。

「あ、どっかで火事なんじゃのぉ」ゆぅて思うて、まあええかゆぅて思いもって、疲れとるけぇまた布団へ戻って寝ちゃったってゆうんよ。




明け方になりゃぁ電話が鳴ったけぇ、
「はい」って取ったら、
「社長、わやなんじゃ。昨日夜中にうちの店の1つなんじゃが、火事出しましてのぉ。あ、あの、どうにかボヤでもって済んだんじゃが」ってゆう話をしたんじゃの。

「あ、ほうか。われ気を付けてくれよの。おい、ちぃと待てよ。わし、夜中に実はな、サイレンの音を聞いて、目が覚めとるんじゃがさ、あれ、じゃあうちの店が燃えた、そのサイレンかい?」って聞いた。

すると、その従業員の人がね、
「いや、なんぼね、夜の夜中でもって静かだって言ぅても、社長、社長のマンションけぇね、店まで距離があるんじゃけんね、音は聞こえんじゃろう、そがぁな」ってゆわれたんじゃの。
「あ、そう」

またそれから何カ月かして、仕事でどうしてもいねんもんから、もう疲れきったまんまでもってその自分のマンションへいんじゃわけよの。

で、いっつもんように、またゴロンって横になっちゃったんじゃ。と、またこれが苦しいんよの。

うう、うう、うう、うう、う、ううっ

て目が開いた。

はっといぅて思うたら、もうべっしょり汗をかいて目の中にまで汗が染みこむぐらいで、
「うわ、何なんだこの苦しさ、いや、たまらん」ゆぅて思うて、こうやって目を開けた。前にも増して真っ赤なんだそうじゃ、部屋の中が。

「あ、そうじゃ。そーゆやぁ、この前泊まったときもこの部屋中が真っ赤じゃったの。何なんじゃろうな」ゆぅて思うて周りを見たら、

何がなんだか分からん、真っ赤で。

それでもう1回窓のところへ行ってみた。すると、部屋の景色がちょうど窓にこう映って、外は暗いけぇね、その部屋中の真っ赤な様子が映って、

「なんでこがぁに赤いんじゃろうの。不思議じゃのぉ」ゆぅて思うたんじゃ。それで眺めとって、
「まあ何もねえからええか」って寝ちゃったんじゃ。そがぁなら、突然電話が鳴ったんで、
「うおっ」って思うて電話を取ってみたら
「社長、大変じゃ」って。
「うちの従業員の女の子が1人、実はあまり出てこないんで、同僚の女の子が訪ねてみたら、マンションで首くくって死んどった」って。
「自殺か?」ってゆうと、
「ええ、そうじゃ」
「われ、冗談じゃないぞ」って電話切って。

っちゅうなぁ、その子はじゃの、何回かその社長さんに、そのあんなぁにじゃの、人生相談に来たそうなんよ。

それで「まあ、心配ないから」って帰したんだそうなんじゃが、亡くなってしもぉたってゆうんじゃの。で、普通じゃったらこの辺りでもって「嫌じゃのぉ」ゆぅて思うなぁ普通じゃが、その方大変自分に自信がある人なんじゃのぉ。待てよと。

1回目の火事のときにわしゃぁ目が開いたと。部屋中が赤かったんじゃ。
2回目のときにも部屋中があこぉて目が開いたら、自分のところの従業員が首くくって死んどったと。もしかすると、わしにゃぁそがぁな予知能力があるんじゃないかって、そがぁなふうに考えちゃったんじゃ、この人は。自分に自信があるから。自分に力があるゆぅて思うちゃったんじゃの。

「よし、じゃあ今度なんかそがぁなことがあったら、確かめてみようか」ゆぅて、そう自分で思うたってゆうんよ。それからまたちぃとして仕事でもって遅ぉなったもんじゃけぇ、泊まったわけよの。自分のそのマンションに。夜中になりゃぁまた苦しいってゆうんよ。

「うう、ああ、うう、あ、ああっ」て、また自分の声で目が開いた。はっと。前にもますます増して真っ赤だってゆうんよ。

いや、だんだんなんか気のせいかしらんが、色濃ゆぅなってきたな、随分真っ赤じゃのぉって、気持ち悪いの。まるでそりゃぁ血の色じゃったってゆうんよの。色が。
いや、外から差し込む明かりに赤い色はないし、赤い電気は付けとらんし。何にもないのに、なんでか部屋中が赤いんよの。
で、何のこともないんじゃが、一応窓辺へ行ってみて、外をぽうっと眺めとったってゆうんよ。

「一体この部屋どうなっとるんじゃろう」ゆぅて思うて。

で、こうやってぽうっと見ょぉると、映っとるその部屋の中の景色、一部がやたらとぶち赤いってゆうんよ。

「んっ」ゆぅて思うて壁を見てみる。あの辺かのぉ。あの辺かのぉ。あの辺みたいじゃのぉ、ゆぅて思うて。
「そうじゃ、その場所突き止めちゃろう」ゆぅてじいっと見たら、自分の斜め後ろ辺りのところにやたらとこの真っ赤に濃ゆい部分があるけぇ、あそこじゃのぉゆぅて思うて、ふいっと向いた瞬間に、はあ。自分が壁にかけといた、あの例の面よ。その口から目から血がぼうっと吹いとるってゆうんじゃ。

「うわ、びっくりしたんじゃ。なんだこれ」ゆぅて。ところが見たら、床にゃぁ全然血はこぼれとらん。
なんに、

ぶう、ぶう、ぶうっ

て吹いとる。こがぁなことあるわけんのんだって、這いずっていきもって電話かけた。自分のマネージャーに。

「おい、頼む。ちぃと今おかしぃけぇ、ちぃとわしのところすぐ来てくれんか」って。
「頼むよ。なあすぐ来いよ。すぐ来いよ」って。
「社長、何があったんか?」
「ええから聞くな、すぐ来い」って電話を切ったって。それで手帳調べてって、自分が普段からお世話になっとる霊能者のところに電話したと。

「もしもし、しぇんしぇい」そがぁなら、しぇんしぇい普通に出たってゆうんよの。
「どうした?」
「いや、しぇんしぇい、実は」ってゆうと、
「何があった?」
「いや、あの、実はあの、面がじゃの」ってゆう話をしたわけよの。
「そりゃぁいかんな、すぐに来いよ。ええか、なんかに包んで、すぐ持ってこいよ。そりゃぁ君な、そのままにしとくと、君の命が危ないかもしれんぞ」
「そりゃぁ普通じゃないからな、持ってこいよ、待っとるぞ」
それでマネージャーが来たけぇ、
「おい、あの面を取ってくれ」って。そのときゃぁ部屋は全然あこぉなかったってゆうんよの。もう白ぉなりょぉって、壁も。
「社長、これか?」
「そうじゃぁや」ゆぅて。

それで、おそるおそるその人がこう取ったときに、社長これなんかひやいよのってゆいもって、新聞紙にくるんじゃってゆうんよの。くるんじゃら、
「社長、こがぁにこれ重かったんか?」って。
「ん、どうか」って、持ったら重いってゆう。
「重いな」
「重いよの。社長、これすっごいひやいよ」って。
「ひやいな」って。
「ええ、ひやいよの。じゃあ行くんか」って。

それで車乗って、それを助手席にそのお面を置いて、で、そのマネージャーが運転して、ぱーっと夜中向こぉてったってゆうんよの。その心霊の方のところへ。それで、やがてその心霊の方のところへ行ったらば、門が開いとって待ちょぉるってゆうんじゃ、その人が。
で、「どうも」ってゆぅたら、
「ああ、はやく入れ」ってゆうんよ。

それで、「すいません、早速なんじゃが、これなんじゃ、その面ってゆうなぁ」ってゆぅたら、「ああ、貸してごらん」

持った瞬間に、「うん?」
歩いてって、部屋入って「まあ、あがんのんさいよ」って言ぅて、その祭壇の前に座りもって、
「これこがぁに重いもんか?」って聞いたそうじゃの。
「いや、おかしいよの、面じゃけぇ軽やぁずなんじゃが、重いんよの」
「重いなこれ、いや、こりゃぁぶちひやいな」って。
「ええ」
「なんだ?」って。
「いやいや、分かんないが、すごいひやいんよの」
「ひやいな」

で、なんか呪文んようなん唱えながら、

うらうららいらいらいらい

ゆいもって、ふわっとこう新聞紙からその面を取りだしたってゆうんよの。
そがぁならこう体が震え始めたってゆうんよ。その霊能者が。

それで「どうしたんじゃろう、この人、体震えとるな」ゆぅて思うたら、
それが、がたがたがたがたがたがた震えとるんじゃそうじゃ。
肩がね、霊能者の肩が

ガタガタ

って。

「なんでこがぁな震えとるんじゃ」ゆぅて、そのうちにみな見たんか知らんのんじゃが、
「ウウッ、ウウッ!ウウーッ!」てゆうんじゃ、その人。
「何があったんか?」ってゆうと、
「違う。こりゃぁ面じゃないぞ。こりゃぁ生首で」ってゆうんよの。
「淳ちゃん、あれをずっと持っとったら、わし、殺されるところじゃったよ」
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