このエントリーをはてなブックマークに追加
星降る石畳を踏んで君はゆく。
1歩半だけ先を、怒ったように忙しなく。

もろびとこぞる市場の中を、
その細い脚で縫うように淀みなく、
騒ぐ人波をかきわけて。

店先は光で満ちて、
きらめく品々は眩しく鮮やかだ。
甘いホットチョコレートの湯気に、
シナモンの香りが乗って夜を温めている。

この冬の日の喧噪の中で
その小さな肩を見失わずに住んでいるのは、
間違いなく君自身のおかげだった。

「何してんの、はぐれないでよ」

振り向いて、ぶっきらぼうに君は言う。
頷き返すと、すぐに前を向いてしまう。
ただ1歩半だけ先を、
それ以上決して引き離さないように、
細心の注意を払いながら君はゆく。

時折、ちらちらと振り返る視線に、
気づかないふりをして後を追う。
気づいたことがわかったら、
その途端にこの聖なる1歩半が
ぐんと伸びて消えてしまうからだ。

聖夜の月明かりを受けて君はゆく。
1歩半だけ先を、誰よりも優しく慎重に。
↓広島弁でいうと…
星降る石畳を踏んで君はゆく。
1歩半だけ先を、怒ったように忙しなく。

もろびとこぞる市場の中を、
その細い脚で縫うように淀みのぉて、
騒ぐ人波をかきわけて。

店先は光で満ちて、
きらめく品々は眩しゅう鮮やかじゃ。
甘いホットチョコレートの湯気に、
シナモンの香りが乗って夜を温めとる。

この冬の日の喧噪の中で
そのちさい肩を見失わんとぉに住んどるんは、
間違いなく君自身のおかげじゃったんじゃ。

「何してんの、はぐれんでよ」

振り向いて、ぶっきらぼうに君はゆう。
頷き返すと、すぐに前を向いてしまう。
ただ1歩半だけ先を、
それ以上決して引き離さんように、
細心の注意を払いもって君はゆく。

時折、ちらちらと振り返る視線に、
気づかんふりをして後を追う。
気づいたことがわけりゃぁ、
その途端にこの聖なる1歩半が
ぐんと伸びて消えてしまうからじゃ。

聖夜の月明かりを受けて君はゆく。
1歩半だけ先を、誰よりも優しゅう慎重に。
【おもしろかったら友達とシェアしてや】
xxxxx views

© 2013-2023 yanoshin_jp and kt2m All Rights Reserved.