「今はあの時の自分ってすごく頑張っていたなと思えるんですが、当時はそれにまったく気づけなかったですね。何をやっても『全然ダメ』だと思いこんでしまっていて。全然努力できていないし、何もできていないと本気で考えて自分を追い込んでいました」
練習の質にも量にも、細部までこだわった。それでも納得できなかったのは、2000年生まれの最強世代を始めとする、分厚い壁の存在が大きかったのかもしれない。
「どうしても自分よりも強い選手のことばかりが見えてしまって、その選手に比べると自分は本当にダメだなとネガティブになってしまって。もちろん周りから比較されることは仕方のないことだし、より上を目指すためにはそういった選手を上回らなければならないことも理解しているんですけどね。でもそうしているうちに自己肯定感は低くなってしまって」
何度も「休養」という文字が頭をよぎった。それでも加藤が歩みを止めることはなかった。
「結局は試合に出たいという気持ちが勝るというか、出るしかない、頑張るしかないという選択肢しかない状況を、頭のなかで勝手に作りあげていた、作りあげられていたんだと思います。そこで勝つしか道が残されていない……どこか強迫観念に近いものがあったかもしれませんね」
何年も迷った「休養」の選択。だが、そういった環境の中で、自分には競技生活を含め、今後の人生をどう進んでいくのかを考えるための時間が必要だと悟ったのだという。
↓大阪弁でいうと…
「今はあの時のオノレってすごく頑張っとったなと思えるんやけどアンタ、当時はそれにまるっきし気づけなかったやね。何をやっても『さらさらダメ』だと思いこんでしまっていて。さらさら努力できておらへんし、なあんもできておらへんと本気で考えてオノレを追い込んでおったんや」
練習の質にも量にも、細部までこだわった。それでも納得できなかったのは、2000年生まれの最強世代を始めとする、分厚い壁の存在が大きかったのかもしれへん。
「どうしてもオノレよりも強い選手のことばかりが見えてしまって、その選手に比べるとオノレはホンマにダメだなとネガティブになってしまって。もちろん周りから比較されることは仕方のないことだし、より上を目指すためにはそういった選手を上回らなければならへんことも理解しとるんやけどね。でもそうしとるうちに自己肯定感は低くなってしまって」
何度も「休養」ちう文字が頭をよぎった。それでも加藤が歩みを止めることはなかった。
「結局は試合に出たいちう気持ちが勝るちうか、出るしかない、頑張るしかないちう選択肢しかない状況を、頭のなかで勝手に作りあげとった、作りあげられとったんだと思うで。ほんで勝つしか道が残されておらへん……どこぞ強迫観念に近いものがあったかもしれまへんね」
何年も迷った「休養」の選択。やけど、そういった環境の中で、オノレには競技生活を含め、今後の人生をどう進んでいくのかを考えるための時間が必要だと悟ったのだちうわ。